世間での介護職としてのイメージは、あまり良くないイメージの方が多いというのが現状ですよね。
実際私は介護職を職業とし、介護研修の講師としても介護に携わっています。
周りの職員や受講生と話していると、世間のイメージとは違う思いがあるということが分かりました。
直接利用者様や家族と関わってみると大変なことばかりではなく、それ以上にやりがいの元となることが様々な面であり、職員にとっては向上心にも繋がります。
介護職についてあまり知らない方・これから介護職を目指している方・介護職を続けていくことに不安を感じている方へ、介護職として働くことのメリットをご紹介します。
また、利用者様と関わることによって得られるメリットも一緒にお伝えしていきます。
介護職のメリットは意外に多い!
介護職として働くことのメリットは意外に多く、先ず基本的なこととしては以下の4点があります。
それぞれについてご紹介します。
【メリット:基本編】
・勤務の形態が様々ある
・年齢や学歴は関係なく長く続けれる
・需要の高い職業で選択肢が多い
・資格取得することで収入が上がる
勤務の形態が様々ある
一般的に会社勤務であれば「月曜から金曜までの週5日勤務」や「朝は8時や9時から夕方までの8時間勤務」という固定された勤務形態が多いと思います。
しかし介護職は基本的に早出・日勤・夜勤といったシフト制の勤務になっています。

施設によっては更に細かく分かれており、基本の他に遅出・日中・早日・準夜勤などもあります。
子供がまだ小さいお母さんであれば、夜勤ができない・毎週日曜休みなどの希望を受け入れてくれる施設もあります。
また、家庭の事情でフルタイムではなくパートで働きたい・いずれはフルタイムで働きたい、という希望も可能な施設は結構あります。
私がいる施設や知り合いの施設でも、そのような受け入れ体制は寛大です。
子供の学校行事や家族の体調不良の際も融通がきき、家庭との両立がしやすい職業だと思います。
年齢や学歴は関係なく長く続けられる
介護職は年齢や学歴は関係ありません。
実際に私が携わっている介護研修の受講生の年齢も様々で、10代〜70代とかなり幅広い方たちが受講しています。
10代では高校在学中に目標である介護職の資格を取りたい人・60代〜70代は定年退職後に新たな仕事をしてみたい人が資格取得をしています。
私の職場でも実際に78歳で介護職をしている職員がいます。
利用者様と年齢が近いこともあり、60代以上の職員は利用者様と話も合いコミュニケーションがとても上手です。
逆に若い世代の職員は利用者様からすると新鮮のようです。
幅広い年齢の職員が多くいる程、それぞれの利用者様の性格に合わせた対応が可能になるでしょう。
学歴も関係なく過去の経歴にも縛られることはありません。
過去の学歴より介護の知識や技術を新たに身につけることで、やりがいや向上心に繋がり現場で活躍できるでしょう。
幅広い年齢と様々な経歴の人たちが、足りない部分をお互いに補い合いながら成り立っています。
誰にでも挑戦することは可能な職業だと言えるでしょう。
需要の高い職業で選択肢が多い
今後更に高齢化が進むと言われている状況で、介護職は今以上に需要の高い職業となるでしょう。
高齢化社会にとって介護職は必要とされる存在です。
年々介護施設も増えており様々な形態の施設が多くあります。
そのため他の職業に比べて、色々な面で働く職場の選択肢が多くなるでしょう。
育児のために一旦現場を離れたものの、育児が落ち着いたため再度現場に戻りたい人や、引っ越しなどで離れることがあっても別の場所で活躍することが大いに可能です。
場所が変わっても経験を活かし発揮できる職業だと思います。
資格取得することで収入が上がる
介護職は資格や経験がなくても可能な仕事です。
実際に介護の仕事をしながら資格を取得し、スキルアップを目指す職員はたくさんいます。
資格を取得することで活躍できる場の幅が広がります。
職場では更に上のポジションで、重要な仕事を任されるようにもなるでしょう。
そうなれば手当もつき収入が上がることにも繋がります。

研修に来ている受講生の話では、資格取得に協力的でない職場もあるようです。
職場が協力的でなければ、休みが取れず研修は補講となってしまいます。
本人に資格取得のやる気があっても、周りの協力がなければ難しい場合もあります。
資格を取得する際には知識や技術が身につきますが、研修に参加するだけで介護への考え方も変わりますし、他の受講生との交流もあり他施設との情報交換ができます。
資格取得することは、資格や収入だけでない多くのことが得られるのではないかと思います。
高齢者との関わりで得られるメリット
介護職が、高齢者と関わることによって得られるメリットは以下の3点です。
それぞれについて見ていきましょう。
【メリット:高齢者との関わり編】
・家族の介護に活かせる
・自分の人間性を発揮できる
・利用者様の目標に携われる
家族の介護に活かせる
介護職は家族に介護が必要となった時、仕事としてやっていることが直接活かせることができます。
少しでも知識や技術が身についていることで随分違います。
実際に自宅で家族をお世話する際には技術が役に立ちますし、介護施設を利用するにしても選ぶ施設のポイントや、介護制度を知っていることで大きな違いがあるでしょう。
私がいた施設でも、家族の介護をしながら働いている職員がいました。
家族は昼間デイサービスに通っており、本人は家族のデイサービスに合わせた勤務をしていました。
家族の介護をしながら働けることも、介護職の良いところではないかと思います。

施設には状態の違う利用者様が多くいて、それぞれの状態に合わせた対応が必要です。
自分の家族と似た状態の利用者様への対応を、双方の反応を見ながら一番良い方法で接することができます。
家族への対応または利用者様への対応で学べ経験となり、仕事にも私生活にも活かすことができますよね。
自分の人間性を発揮できる
介護職はコミュニケーションが必要で大切な職業です。
利用者様や利用者様の家族に寄り添い、気持ちを汲み取ることが必要です。
人と関わることが好きで、相手の気持ちになって考えることが大切という考え方ができる人には、その人柄や人間性を活かせ発揮できるでしょう。
また、私たちが普通にできる動作も、利用者様にとっては難しいことも多くあります。
食べる動作1つ取っても、箸やスプーンを持つ・おかずを口に運ぶ・噛んで飲み込む、このような日常の動作を介助する仕事です。
そのため利用者様の生活全体に関わり、家族よりも長い時間を一緒に過ごしている職員も多いでしょう。
距離が近い分、直接感謝される機会も増え職員にとっては向上心にもなります。
私も利用者様から1日に何度も感謝の言葉を言われることに、自分でも役に立っているということが実感できていました。
利用者様から喜んでもらえることをうれしいと感じ、人のためになる仕事がしたいという福祉の心を持っている人には、やりがいを感じながらその人間性が大いに発揮できます。
利用者様の目標に携われる
利用者様の中には運動能力を回復させ、在宅での日常生活を目指している方もいます。
そのためには利用者様自身の努力も必要ですが、職員が心身ともに支え励まし献身的な介助が必要です。
施設に入所した当初は自力で歩行できなかった利用者様が、徐々に自力で歩けるようになる過程に携われるのは介護職です。
その喜びを自分のことのようにうれしく思う職員も多いでしょう。
利用者様と一緒に目標を達成できた喜びを感じれることができるのは、介護職の特権の1つでもあるでしょう。

私がいた施設でも自力で食事がとれなくなり、食事の代わりに栄養剤となってしまった利用者様がいました。
一時は元気もなく言葉も少ない状態でしたが、本人の意欲と職員の毎日の励ましによって、普通に食事ができるまで回復しました。
回復した日はその話題でもちきりとなり職員同士で喜びました。
利用者様の回復に携わり一緒に喜ぶことができる経験は、大きなやりがいにもなりこの仕事をしていて良かったと思えるのではないかと思います。
まとめ
・介護職は勤務形態が様々で融通がきき家庭との両立がしやすいです
・年齢や学歴は関係なく更に需要は高くなることから選択肢も多いです
・資格取得で職場でのポジションや収入も上がります
・人間性を活かせる仕事で家族の介護にも役立ちます
・目線を変えてみるとたくさんのメリットがある職業です
介護職は良くないイメージが多く聞かれますが、良い点に注目してみると働きやすい勤務形態であったり、今後は更に需要が高くなる職業でもあります。
また自分のやる気次第では資格取得することによって、重要なポジションを任され収入も上がることに繋がります。
自分の努力がそのまま結果となるので、やりがいにもなるでしょう。
また利用者様との関わりによって得た知識や技術やコツなどを、自分の家族に介護が必要となった時に活かせるのも、介護職でなくてはなかなか活用することはできませんよね。
人と接することが好きで人の役に立ちたい・お世話をしたいという人は、コミュニケーションや思いやりが重要とされている介護職は、その人柄や人間性を大いに発揮できる職業です。
大変なことが多い職業と言われている介護職ですが、メリットと思えること・メリットになることもたくさんあります。
介護職の良い点が、もっと多くの方たちに知ってもらえるようにしていきたいですね。









