介護職は身だしなみが大切です。身だしなみを整えて清潔に気をつけることは良い印象を与えることはもちろん、感染症などのリスクや事故を防ぐことにもなります。
そして普段から丁寧な接遇を心がけることで、利用者様・利用者様の家族・周りの人からの信頼を得ることにも繋がります。
身だしなみを整え丁寧な接遇マナーで対応することは利用者様やその家族に安心感を与え、より良い介護サービスを提供できるための基本となります。
そして介護職の必需品を身につけておくことによって仕事の効率もUPします。
介護職を目指している方・介護職を始めたばかりの方・仕事の効率UP方法を知りたい方へ、介護職の身だしなみや接遇マナー、持っていると便利な必需品をご紹介します。
常に心がけ自然とできるようにしていきましょう。
介護職の身だしなみ6つのこと
介護職の身だしなみとして気をつけることは以下の6つがあります。
それぞれに気をつける理由には、全てが利用者様のためということです。
介護職の基本の身だしなみを心がけ仕事に取り組みましょう。
・服装
・靴
・髪型
・アクセサリー
・メイクや香水
・手(爪)
服装
介護職の服装はユニホームが支給されることが多いですが、私服の事業所もあるようです。
基本的に奇抜な柄は避け、シンプルな作りで動きやすい服装が良いです。
金具やヒモが付いているものは、利用者様や自分にもケガの元となるので付いていない物にしましょう。

また胸元の大きく開いている服や床に裾がつくようなズボンも、業務に支障をきたし仕事の効率が悪くなる原因ともなるため考えて選ぶことが必要です。
私が講師として取り組んでいる研修でも動きやすい服装が基本です。
パーカーや飾りの付いた服・デニム生地のものは避けるように指導しています。
靴
脱げにくくヒモがない物にしましょう。
介助中に転倒するリスクがあり事故の元となっていまいます。
またトイレ介助などで汚れることもあるため、拭いたらすぐに汚れが落ちやすい素材のものが良いですね。
私がいた施設ではクロックスを履いている職員が複数いました。
歩きやすいのかもしれませんが、脱げやすく飾りなどが引っ掛かりやすいことから研修では厳禁としています。
髪型
髪が長い場合は後ろに1つでまとめましょう。
前髪やサイドの髪は利用者様を介助する際、利用者様に触れないようにし業務での邪魔にならないことや清潔感を考え、ヘアピンで止めるなど髪がバラつかないようにしましょう。
私はまとめることも面倒なのでショートカットにしていましたが、長い髪の職員は職場に来て簡単に後ろでまとめている人が多かったです。
綺麗にまとめていても入浴介助などで乱れてしまうことから、簡単にまとめ休憩時に整える職員がほとんどでした。

アクセサリー
介護職は結婚指輪以外の指輪・ネックレス・ピアス・時計などの貴金属やアクセサリー類は禁止です。
利用者様を傷つけてしまうこともありますし、金属アレルギーの方のことも考えて禁止としている施設が多いです。
また活動量の多い仕事のため落として失くしてしまい、それを利用者様が誤飲してしまう危険性もあります。
アクセサリーは私のいた施設でも禁止でした。
もちろん研修でも全て禁止とされています。
利用者様を傷つける以外に、ネックレスやピアスが引っかかったり引っ張られたりし、逆に職員がケガを負ってしまうこともあります。
メイクや香水
派手なメイクや濃いメイクは避けましょう。
入浴介助では介助する職員は汗だくとなります。
メイクが崩れ清潔感に欠けますし本人も気になってしまいます。
また香水などの香りは、匂いに敏感で苦手な利用者様もいるので控えた方が良いでしょう。
私の周りでは全くメイクをしていない職員が多かったですが、施設には家族やケアマネの方など多くの人が出入りするので、薄くてもメイクはしておいた方が良いでしょう。
手(爪)
感染予防のためにも手洗いはこまめにするよう心がけましょう。
そして業務の内容によっては手袋を使用し感染予防に努めましょう。
爪は短めに切り利用者様を傷つけないように気をつけましょう。
利用者様の皮膚はちょっとしたことでも傷ついてしまいます。
またネイルは禁止としている施設が多いようです。
私はネイルなど全くしていませんでしたが、透明のネイルならOKという施設も中にはありました。
透明ネイルでも綺麗にしていれば、利用者様との会話のきっかけとなるなどの良い面もあるかもしれませんね。
介護職の接遇マナー
介護職が利用者様へより良い介護サービスを提供するためには、接遇マナーは基本として大切なことです。
社会人になると一般的な接遇マナーを新人研修として受けた方は多いかと思いますが、介護の現場では介護職の接遇マナーが必要です。
介護職の接遇マナーとして必要なこととはどのようなことでしょう。
大切とされることとして以下の5点が上げられます。それぞれ見ていきましょう。
・あいさつ
・表情
・話し方
・声かけ
・傾聴
あいさつ
あいさつの意味は「日常生活には欠かせない人と人とが気持ちよく生活できる言葉」とされています。
介護職としても人としても基本的なことです。
あいさつをすると相手との距離が縮まります。
私は笑顔であいさつすることを習慣づけることで、利用者様が心を開いてくれるきっかけの1つとなり、自分の気持ちもあいさつをすることで明るくなれていたように感じます。
表情
介護職として利用者様に接する際は笑顔が基本です。
無表情や怖い表情・暗い表情でいると、利用者様は不安になり気持ちも落ち込んでしまいます。
また一緒に仕事をしている仲間も楽しく仕事に取り組めませんよね。
利用者様が何かお願いをしたいと思った時、怖い表情の職員よりも笑顔の職員にお願いしたいと思うでしょう。
利用者様が気軽に声をかけやすい雰囲気を作るためにも、私は常に明るい笑顔で接するよう心がけていましたし、利用者様の顔を見ると自然と笑顔になるものです。

明るい笑顔は周りを明るくします。
元気な笑顔で利用者様も元気になります。
優しい笑顔で利用者様も穏やかな気持ちになり安心します。
笑顔は周りの方たちの気持ちを変えるチカラがあるのです。
話し方
利用者様へ話しかける時は相手の目を見て、聞き取りやすい話し方を心がけましょう。
耳の遠い高齢者の方は、高い音が聞こえにくい傾向にあります。
声のトーンは高すぎない声で話すようにしましょう。
声の大きさは少し大きめでハッキリ・ゆっくりと話すことを気をつけて接しましょう。
声が聞き取りにくいことから、会話をすることも徐々に億劫となってしまう利用者様もいます。
会話をすることで人の気持ちは晴れて元気になるものです。
私は利用者様に毎日を楽しく過ごしてもらうためにも、利用者様と会話をする時は普段より聞き取りやすい話し方を心がけ、不安やストレスを与えないように気をつけていました。
声かけ
利用者様への声かけは何か行動を起こす時も必要ですし、利用者様の様子を見て声かけをすることも必要です。
車いすで移動する時は無言で動かすのではなく、声かけし移動することを利用者様に伝えることでスムーズに移動が行え安心感を与えます。
何か行動する時、利用者様へ随時声かけすることで何をするのかを利用者様も受け入れてくれ、スムーズに行動できるため効率UPにもなります。
食事の配膳時には「今日は好きなお魚ですよ」などと一言でも声かけすることで、コミュニケーションとなり心を開いてもらうきっかけとなることもあります。
また元気のない様子の利用者様には声かけをすることで、体調の異変などに気づくことができます。

些細なことで気持ちが落ち込んでしまう方もいます。
こちらから気にかけて話を聞くことで、安心し気持ちも安定します。
私は通りすがりの際でも出来るだけ声をかけるよう心がけていました。
声かけは利用者様とのコミュニケーションの1つとなります。
傾聴
傾聴の意味を調べると「耳を傾け熱心に聞くこと」とあります。
この傾聴は利用者様と接する際には大切なことです。
利用者様の話に耳を傾け自分の考えとは違うと思っていても、相手の話を受け入れるようにしましょう。
相手の考え・気持ちを尊重し、自分の意見・考え方を押し付けないように気をつけましょう。
そして考え・気持ちに共感し受け入れることです。
利用者様の中には話を聞いてもらうだけで満足される方もいます。
また利用者様同士のことで悩みを聞いてほしいという方もいます。
私は話を聞いてほしいと思ってもらえるだけで、頼りにされている感じがしてうれしい気持ちになっていたものです。
利用者様の悩みを聞いて何とかしてあげたいと思う気持ちは分かります。
しかし利用者様の考え方を直すよう強制するのではなく、アドバイスや提案をしながら話を聞くことに徹しましょう。
優しい笑顔で共感し傾聴する姿勢が介護職には大切です。
必需品で効率UP
介護職として持ち歩いていると効率UPとなる必需品は5点あります。
持っていることにより便利・快適な環境で仕事に集中できるでしょう。
・ボールペン
・ハンカチ又はタオル
・ハンドクリーム
・ウエストポーチ
・着替え
ボールペン
介護職は仕事中にメモや記録などをする機会が多くあります。
利用者様から頼まれたことや、やらなければいけないことなどはメモする習慣をつけましょう。
メモをすることで仕事の効率UPにもなります。
私はもともとメモ魔でメモをとらないと忘れそうで不安だったため、常にメモをとる習慣はありました。
やり終えたことを消していくことで達成感も感じれますし、計画的に仕事を進めることができ私にとっては必要不可欠なことでした。
ハンカチ又はタオル
介護職は1日中ほとんど動いていることが多いです。
そのため夏の暑い日はクーラーを入れていても、適温は利用者様に合わせているため汗だくです。
また冬の寒い日も利用者様に合わせた適温で暖房を入れているため、冬にも関わらず汗をかいている職員が多いです。

本人の不快感になるのはもちろん見た目にも清潔感に欠ける要素となるため、ハンカチやタオルを持ち歩くようにしましょう。
施設ではペーパータオルを使用することが多いかと思いますが、すぐに取り出せるようハンカチなどを持っておいた方が良いですね。
ハンドクリーム
介護職はこまめに手を洗うことが多いため、ハンドクリームを持っていると便利でしょう。
手が乾燥し荒れていると利用者様に触れた際、不快感を与えてしまいます。

また利用者様の皮膚は、大変薄くなっており傷つきやすくなっています。
こまめに手を洗った後は、こまめにハンドクリームでケアすることを習慣づけましょう。
私はよく利用者様から手を握られたり握手を求められることがありました。利用者様はコミュニケーションとして、会話の他にそのような行動をする方もいます。
不快感を与えないように、気遣いの1つとして私はこまめに使用していました。
ウエストポーチ
上記のような必需品を服やズボンのポケットに入れていると、業務の妨げとなり動きづらくなってしまい事故やケガの元になりかねません。
ポケットの代わりにウエストポーチを身に着けていれば、容量も大きく必需品の幅も広がります。
利用者様の要望にすぐ対応でき効率UPにも繋がります。

私の場合、気がつくと中身が多くなってしまいポーチが重くなっていました。
気をつけることとしては、容量があるからと言って次々と小物を入れていけば結局動きづらくなってしまうので要注意ですね。
着替え
介護職は入浴介助ではもちろんですが、トイレ介助やおむつ交換・移乗などの際に汚物などで、汚れてしまうこともあります。
いつでも着替えれるように、予備の着替えを準備しておくことは必要です。
私はユニホームの他に靴下やタオル・上着などをロッカーに常備していました。
ユニホームは定期的に支給されていたので、きれいな物であれば何枚あっても他の職員に貸すことも出来ますし、予備を準備しておくと便利かと思います。
まとめ
・身だしなみ=仕事の効率UPと事故防止になります
・接遇マナー=利用者様からの信頼感や安心感を得れます
介護職は身だしなみを整えることで仕事の効率も上がり、利用者様へ質の良い介護サービスを提供できることに繋がります。
また利用者様や家族・施設全体のイメージアップになり、安心感や信頼感を与えることにもなるでしょう。
常に接遇マナーを心がけ利用者様に接することで、利用者様の不安な気持ちを払拭できます。
ほんの些細なことで不安を感じ眠れなくなる利用者様もいます。
職員の細やかな接遇によって利用者様は不安な気持ちを回復することができ、それが安心感・信頼感となり心を開いてくれることにも繋がります。
職員の身だしなみや接遇は、利用者様に安心して楽しい毎日を過ごしていただくことの基本となります。
介護職の基本として常に心がけておくようにしましょう。









